起立性調節障害とは？どんな病気なのか？何科に行けばいい？食事についても

起立性調節障害とは？

起立性調節障害は、自律神経系の異常で循環器系の調節がうまくいかなくなる疾患で、立ち上がった時に血圧が低下したり、心拍数が上がり過ぎたり、調節に時間がかかりすぎたりします。

自律神経疾患なので身体的要素以外に、精神的、環境的要素も関わって起こると考えられています。

注意しなければいけないのは、あくまでも体の病気であり、本人が頑張ればどうにかなるということではありません。

日常生活に問題ないレベルから生活に支障をきたす場合もあり、生活に支障をきたしている場合は診察を受ける必要があります。

また、学生の発症率が高く、朝起きられないことから、不登校になる割合も多いことが知られています。起立性調節障害小児の3分の2が不登校で、不登校小児の約半数が起立性調節障害を合併していたというデータもあります。

どんな病気なのか？

起立性調節障害は、思春期前後の小児に多く見られ、起立時にめまい、動悸、失神などが起きる自律神経の機能失調です。

人の身体は、起立すると重力によって血液が下半身に貯留し、静脈を経て心臓へ戻る血液量が減少し血圧が低下するので、これを防ぐために自律神経系の一つである交感神経が興奮して下半身の血管を収縮させ、心臓へ戻る血液量を増やし、血圧を維持します。

しかし、自律神経の機能が低下した結果、このメカニズムが働かず、血圧が低下し脳血流が減少するため多彩な症状が表れます。例えば、めまい、動悸、失神のほか、疲れやすい、腹痛、吐き気、嘔吐、頭痛、胸痛、食欲不振、朝起きられないなどの症状がよく見られます。

原因と改善方法は？

原因

起立性調節障害は自律神経の乱れが原因の一つです。

そのため、夜更かしや朝寝坊、朝食を抜くといった不規則で不健康な生活は危険です。

遺伝的な要素も強いので、家族や身内が同じような経験をしているのであれば注意が必要です。

また、平衡感覚を司る三半規管が鍛えられていないことも影響します。

外で運動する機会が少なく、平衡感覚が弱い子どもが発症するケースも目立っています。

治療方法

起立性調節障害に罹った場合における治療法と言うのは、身体だけではなく精神的な治療も必要になります。

身体的治療としては、体を動かし運動をすることで自律神経の調節を回復させます。

また、栄養のある食事を摂ることで、症状が回復する可能性もあります。ストレスが病気の原因ともなるので心のケアも有効です。

食事について

起立性調節障害のケアで最も重要な5つの栄養素

・タンパク質＝自律神経の安定
・鉄＝様々なものを作るエネルギーになったり、心を安定させたりする栄養素
・ビタミンC＝様々なものを作るエネルギーの材料
・ビタミンB＝ノルアドレナリンを作る材料
・ビタミンE＝細胞膜を作る成分、ビタミンなどの吸収を良くする

この中でまず摂取しないといけなのはタンパク質と鉄です。タンパク質と鉄を十分に摂取することで心のケアから始めます。そして他の3種類のビタミンを摂取することで動く体を作り出し、体を動かすことで、起立性調節障害の克服をしていきましょう。